ご要望をいただき、益田翔陽高校の校外実習を実施致しました。
益田ファンデーション様の縫製工場を見学した後に、弊社事務所にお越しいただきました。デザインする工程や、染色、色確認や仕様書などのブラジャーができるまでのお話、ざっくばらんにこれまでの仕事やデザインの実務について話しました。
今回お越しいただいたのは美容師とファッション関連の仕事を希望されている学生さんでしたが、実際の仕事のイメージがついていないように感じました。
最初は何となくのイメージで職業に興味を持っていくもんだと思うんですが、実際のリアルな仕事を理解していないと、「こんなはずじゃなかった。」なんてことになりがちなんじゃないかと思うんですよね。
実際、進路についてあらためて、相談をしたいとご依頼があり、翔陽高校にて後日進路相談をさせていただくことになりました。
デザイナーの大森由紀の場合は、父は大学に行けなかったので、とにかく大学に行ってほしいと言われ、真剣に自分の人生ややりたいことを考え、ファッションの道を選び、奨学金で服飾の専門学校に行きました。
何度か両親にその後もキャリアにおいては反対されることがありましたが、やはり自分の道は自分で切り開いて私自身はよかったと思っています。
もちろん、両親の影響でファッションが大好きになったのですから、とても感謝していますが。
ファッションデザイナーでとなって8社転職し、1社目でデザインを上司のものにされたり、いろいろ大変なことも経験しています。不器用で縫製やパターンはとても苦労したし、専門学校を出てからの実際の仕事とイメージのギャップが大きかったので、率直にお話させていただきました。
やはり専門職は職人の粋ですのでファッションが3度の飯より好き、自分の強みが生かせるか強い信念がないとずっとデザイナーの仕事を続けることは大変です。そして同時に自分の弱みもよく理解することが大切です。
どの世界でもそうだと思いますが、憧れやなんとなくでは厳しい世界だと思います。専門学校を卒業して現在、私の友人でファッションデザイナーの仕事をしている人はいません。在学中もやめる人も多かったし、在学中に華々しくコンテストで賞を取り、イラストはいつも1位から3位入賞していた人に卒業して数年後に電車で会ったら元気なく、仕事がうまくいってないとぼやいていて衝撃をうけたこともあります。
だからこそ、わからないなりに真剣に自分の人生ややりたいこと、大切にしたいことを考えるきっかけになってもらえたらうれしいと思いました。
また私達は美容師さんの知り合いが多いこともあって、ありのままのいいことも悪いこともお伝えさせていただきました。
専門職の選択は進学してしまった後では、後戻りができないので、情報ってほんとに大事だと思います。
島根県と近隣エリアが中心になるかとは思いますが、機会をいただければ、これまでの経験を活かしてお話させていただきます。
特に大森智彦は過去に企業の人材採用と個人のキャリア・転職相談にのっていたので、それなりに仕事の情報は理解しているつもりです。
進路と職業選択においてある程度、情報を持っていると持っていないとでは、大きな違いができるなとあらためて感じました。
(職業は大学に進学してから考えるのも、もちろんありだと思っています。)
仕事を生活の糧とある意味割り切るのであれば、そこまで深く考える必要もないのかもしれません。
あくまでも仕事にやりがいを求めるのであればの話です。
いろいろと考えるよいきかっけを与えていただきました。
9月にももう1度、講義を予定しています。生徒の方に、簡単なファッションについての宿題をお渡ししましたので、楽しみです。